本日は東京でも雪が降っていますが、みなさまいかがお過ごしですか。
幸い予報よりも降り出しが遅く、銀座は積もらずに夜を迎えそうです。
明日の朝は雪景色になっているでしょうか。
本日は、パテックフィリップのムーブメントを納めた美しいアールデコウォッチをご紹介いたします。
すっと縦長のシルエットをダイヤモンドで縁取った端正な時計です。
アーカイブを確認しますと、1924年にパテックフィリップからムーブメントの状態で出荷されたようで、ケースは宝飾職人の仕事でしょうか素晴らしい細工で仕立てられています。
遠目にはシンプルな長角のデザインに見えるのですが、こうしてみるとダイヤモンドセッティングのブロッキングに曲線の要素も取り入れられています。
縁ごとに繊細なミルグレインを施し、ダイヤモンドの輝きを際立たせながら優美な印象を添えています。
ケースサイドにはこのように丁寧な彫刻が刻まれています。
5ｍｍほどのリューズは野薔薇のモチーフに花芯まで再現されている細やかさ｡
厚みは感じさせないのに立体感と奥行きをもって、花びらの柔らかさを表現しています。
ダイヤモンドの輝きも素晴らしく、原石からカットまで全てが上質なものが使用されているのでしょう。
小さなシングルカットも表に出るクラウン部分にしっかりと高さを持たせ、少しの動きでも光を反射し虹色のきらめきがこぼれる様です。
そして、ささやかだけれど嬉しい要素は、革ベルトではなくリボンでのご紹介が出来ることです。
黒い背景では分かり辛かったのですが、実はこのようにリボンのベルトになっています。
リボン用の留め具をご用意することが難しく、数が限られるのがこのタイプです。
販売当時の留具は紛失されたしまったようで、少しサイズは大きいものに交換されていますが、アールデコ期の特徴的な留具です。
こちらにも繊細な模様が刻まれており、当時の美意識の高さを感じさせます。
職人の技術を集めた、アンティークでなければ出会えない美しい時計です。
もちろん眺めるだけでなく、身に着ける楽しみも。
端正なシルエットは和服や、現代のスタイルにも驚くほど馴染んでみせます。
手元にあるだけで特別な時間を過ごせるように思えますね。
by A.I
PATEK PHILIPPE movement/パテックフィリップムーブメント
商品番号：C1639
1924年製
素 材：Pt
SOLD
