みなさま、こんにちは。
本日よりシェルマンバーニーズニューヨーク銀座店スタッフブログをリニューアルいたしました。
気持ちも新たに、アンティークウォッチを中心とした時計の魅力をご紹介してまいります。
旧ブログからご覧いただいている方も、初めましての方もどうぞよろしくお願いいたします。
とても悩んだ最初のご紹介となる1点。
ミュージアムピースとも呼べる1920年代製のカルティエをご紹介いたします。
商品No.C1448 カルティエ/EWCムーブメント 1920's
Pt ダイヤモンド/めのう/オニキス
¥5,346,000(税込)
プラチナをベースにダイヤモンドと黒色の半貴石組み合わせた
アール・デコ期を代表するようなデザインの時計です。
宝石商の王と評されながらも、時計の分野でも魅力を持つカルティエ。
そのカルティエが約100年前に作り上げた美しいジュエリーウォッチ。
ムーブメントにはEWC製のものが搭載されたこの時計は、
今、日本で手にとり、ご紹介できる事自体が不思議に感じるほど希少なお品です。
プラチナ枠の幅いっぱいに合わせダイヤモンドをセッティングした繊細なプラチナワークは世界で初めてプラチナをジュエリーに使用したとされる、カルティエならではの細工ですね。
ジュエラーらしい細工はこちらにも。
透かしの間にダイヤモンドをセットする際に、薄い板で枠の間をつないでいるのですが
この板をナイフの刃のようにように裏側から表側に向けて薄くしていき、表から見ると板がほとんど見えないように加工されているのです。
ナイフエッジと呼ばれる技法で、アンティークジュエリーの中で見ることのできる技法ですが、
この細工が時計の中で使用されているのを見ることはほとんどなく、
時計のみのブランドではない、ジュエラーのカルティエだからこそ作りえたものではないでしょうか。
ダイヤモンドのあしらいも、リューズのローズカット、形を縁取るシングルカット、アクセントとなる古い時代のブリリアントカットとアンティークジュエリーをお好きな方なら、いつまでも眺めてしまうような石使いです。
肌に乗せると、ダイヤモンドの輝きだけで形作られたように見えてきます。
そのシルエットも、少しオリエンタルな印象を感じさせ、遠い異国に美を見出した時代を想わせます。
めのうとオニキスの黒色との対比もくっきりと、理知的なような、それでいて艶めいているようなと
見れば見るほど、深い魅力を感じる時計です。
当時、どんな方がお持ちになり、どんなドレスと合わせられたのでしょうか。
きっと私がその時代に生きていても目にする機会さえなかったような、特別なお品です。
とても希少なこちらの時計ですが、お手元でご覧いただけますので、お店へお越しの際にはお気軽にお声かけ下さい。
by A.I