時計と磁気のこと

桜が開花し、日差しは明るくいよいよ春らんまんといった空気ですね。
来週末にはもう4月、私事ではありますが、異動を控えているので少しどきどきしています。
入社以来、勤務していたバーニーズニューヨークを離れてシェルマン オンラインショップの担当となります。

良かったら、ショップとInstagramで今後の活動も見守ってくださいね。
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本日は磁気についてのお話しを。
時計と磁気の相性が悪いことは、時計をお好きな方はすでにご存知かもしれませんが、アンティークウォッチではより注意が必要となってきますので、改めてお伝えさせてください。

アンティーク時計を日常的に使用するにあたって気を付けたい事の一つが磁気帯びです。
磁気帯びって?という方も多いと思いいますが、時計が磁石や電子機器を接触すると、時計の内部パーツが磁気を帯びて磁石のようになってしまう事を指しています。

大きな懐中時計の機械と小さなレディースの機械

磁気の影響を受けやすいのがヒゲゼンマイというパーツ。
ヒゲゼンマイは振子のような役割をしている、時計が正確に時間を刻むための大切なパーツです。

ここがヒゲゼンマイです


アンティークレディースウォッチの小さな機械では、肉眼でほとんど見えないほどの繊細なものです。
このヒゲゼンマイが磁気によりバランスを崩してしまうと、進みや遅れといった症状が出ます。
余りに強く磁気が入ると、時計が止まってしまうこともあります。

レディースでは髪の毛よりも細く、猫の毛のような繊細さです

磁気帯びの原因としては、携帯電話やパソコン、その他電子機器や磁石そのものと時計が接触してしまった時におきます。
時計を着用したままでも上記のアイテムをご使用いただけますが、時計と磁気を発する物との間に5~10cmほどの距離がとれているように意識してあげて下さい。
他にも気を付けたいアイテムとしては、バッグのマグネット留め具やIHクッキングヒーター、スピーカーなどがあります。

他にも、予想していないアイテムが意外と強い磁気を持っていることがあると思います。
目に見えないものですが、時計が磁気を帯びているかどうか、方位磁石に時計を近づけて針が動くかで判断する事が出来ます。

それでは、磁気帯びしてしまった際はどうしたら良いかというと、脱磁器という機械の登場です。
手頃な価格の物もあるので、お客様でも時々お持ちの方もいらっしゃいます。
使用方法もスイッチを押したり時計を通すと磁気が除去出来るというシンプルな使い方ですが、実は注意も必要です。
脱磁機の仕組みは、時計の中の磁気に外から磁気をぶつけて磁気を飛ばすようになっているので、失敗するとより強く磁気帯びさせてしまうことになるんですね。

また、脱磁の際は結構な衝撃が機械にいくようで、はじくような手ごたえが伝わります。
実際、機械だけを乗せてスイッチを押すと、衝撃で機械が動くほどです。

この衝撃でも調整された機械のバランスを崩してしまうことがあるようです。
その為、アンティークの中でも下の写真のような、アールデコ期や薄型ムーブメントのモデルは、磁気帯びの際も、職人の元で脱磁をしていただくのが安心です。


アンティークウォッチが作られたころは、電子機器がまだまだ身近なものでは無かったでしょうから、磁気によるトラブルは一部限られたことだったと思います。
ただ現代では、日常のアイテムとして身近にあるものなので、ふとした時に磁気を帯びてしまうのは仕方のないところもあります。

ご購入やメンテナンスから間もないのに、時計の時間が合わない、そんな時は磁気の影響があるかもしれません。
気になる症状があればお気軽に購入店へご相談ください。
そして、時計が直った後には、身の回りのアイテムを少し気にしてみてくださいね。


by A.I

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